東洋陶磁学会

     常任委員会委員長   伊藤郁太郎殿

      常任委員会役員 殿   

 

前略

浅春のみぎり、委員長に再び御便り差し上げます

貴学会に歴史的「寶」の難題を持ち込み恐縮致しております

また委員長はじめ学会役員各位のもとに、「寶」と私の事で、多方面から色々雑音が入って

来ているのではと案じております

それはさておき、金沢で委員長とお会いでなかったのは残念で御座いました

私に他意は無く、常任委員会で「対応を検討する」との委員長の書状を賜り、一度も「寶」

を手にしておられない委員長に事前に「寶」を拝見して戴ければと、展示会並びに講演等

の状況も弁えず面会を申し入れた次第です

田舎者の軽挙、深くお詫び申し上げます

その後、他学会との応対に忙殺され詫び状が遅れた次第であります

 

さて『日本道教学会』には昨年7ケ月の日数かけて4度、書簡をお送りし、異論反論無く

完全沈黙された事は先般お伝えした通りでございます

このあと同封の『日本中国学会』『東方学会』へ宛てた当方の最終書状にお目通し願います

公式ホームページによれば『日本中国学会』は大学院生・助教授・教授、会員数2000

余名を擁する日本における中国歴史研究の最大学会です

また財圑法人『東方学会』は外務省所管のもとに設立され、1500余名を擁するアジア

諸国の歴史・文化・考古を研究する最高学会です

完全沈黙する「日本道教学会」に見切りつけ、昨年11月1日よりその「日本中国学会」

に先月3月末日まで5ケ月間に4度、「寶」の歴史的真偽を問う書状を御送りいたしました

年末年始、また大學センター試験もあろうかと、拙速を避け十分な時間を設けて、礼を尽

くし、段階を踏んで申し入れた所存です

そして「東方学会」には今年2月9日付けで同様の訴状をお送りし、3度申し入れて来ま

した

「東方学会」池田会長からは3月3日消印のお手紙が一応届きました

しかしながら、内容は私の申し入れから程遠く、会長個人の感想で矛盾とお茶を濁した内

容でありました

私は会長の個人的感想を求めているのでは無く、「東方学会」としての公式見解を求めてい

る旨の3月末日の期限を切った書状を即日速達で御送りいたしました

そして約1ケ月、沈黙であります

「日本中国学会」にいたっては5ケ月一切音信不通であります

勿論両学会には、貴学会にお送りしたと同様、故草柳先生はじめ雲上の諸先生、中国故宮

博物院の鑑定書等も同封いたしました

そして両学会に「日本道教学会」の最終書状と完全沈黙の結果もご説明致しました

重ねて拙速を避け、十分なる期間を設け、礼を尽くし、回答最終期限を延ばして、二学会

の応答を待ちました

しかし正式の連絡無く、3月31日の期限を切って、両学会の最終回答を待ちましたが遂

に応答はありませんでした

空しい学園広場の小田原会議を何時までも待ってはおれません

3月31日をもって、両学会との“命を賭けた”戦いは終結いたしました

 

同封二学会の最終書状にあります通り、完全沈黙されるは、枝葉な錯誤、未確認の窯場の

問題は別として歴史の大脈、大本「寶」の真理一切に異論反論無きものと了解させて戴く

旨の、内容証明付覚書をお送りしました

世界遺産とも云うべき「寶」です。念に念を入れて確認致しました

即ち『日本道教学会』『日本中国学会』『東方学会』約3000名と勘案される三学会が完

全沈黙の中で「寶」を唐朝の神噐「寶」と認めたと言うことです

それでも私には三学会の完全沈黙は蜃気楼であります

学者としての自殺行為、歴史の大罪と言ったら言い過ぎでしょうか?

もとより田舎者の門外漢の申し入れを屑箱に捨てるのは良いとして、故草柳先生はじめ吉

野博士、藤井善三郎館長、その他雲上の博人を門前払いするなどは、言語道断の所業、不

敬不遜であります

 

家業再建と私事に忙殺された中断期間も含め約17年、果てしない道を歩んできました

私のような素人の拙著は別として、日本はもとより世界中に漢文化の歴史研究者がおいで

ます

歴史研究者の著書は各位の“命”であり“宝”と存じます

漢文化の歴史を根底からゆるがす世紀の「寶」発見を知らず、空しい研究書が続々刊行さ

れております

「寶」の発掘発見は、日本はもとより、世界にお知らせすることは、私の歴史的責務であ

ります

 

昔から骨董の世界には、絵画に始まって陶磁器に終わると云われます

陶磁器されど陶磁器であります

15年程前、大阪中ノ島、東洋陶磁館を一度訪れたことがあります。

そして今回厳選された21世紀美術館の展示品を堪能させて戴きました

安宅会長の美の琴線に触れ、氏の美の深淵を垣間見させて戴きました

そして1分の隙なき陳列に伊藤館長の美意識にも触れることもできました

伊藤委員長の『美の猟犬』も早速読ませて戴きました

貴館の中で私の大好きな「飛青磁・花生」と改めて向き合い、至高の美を堪能させて戴き

ました

知識を全て捨て去り、無心で対峙するしか感得できない、美の極地でした

失礼であるが覚悟なき三学会の役員諸氏程度の知識学問では、安宅英一氏の世界には遠く

及ばないであろう

感ずる深度に絶対的差が観えます

先般御送りできなかった「寶」の写真を同封いたしました

故草柳大蔵先生はこの写真から発するオーラを感じ、まるで“異世界の貴品を見る思いが

します”と以後の御差配を賜ったのです

いずれにしても、『日本道教学会』『日本中国学会』『東方学会』以上の三学会の完全沈黙で、

陶磁器以外、歴史面での決着は完全に終えました

今は『東洋陶磁学会』常任委員会の御聖断を、息を殺して待っている日々です

最終的に細緻な知識学問より、陶磁器世界の“心眼”が「寶」の真偽を決めると密かに思

っております

たかが焼物、されど焼物であります

!!!!!!!!!!!!!

 

なを、世界遺産とも云うべき「寶」です

このお手紙と同時に「日本ペンクラブ」「NHK」「日本学術会議」「文化庁審議会」各会長

宛てに「寶」本その他を発送いたします

いずれ全ての状況を観て「文化庁」長官にも差し出す所存です

私にはあらゆる関係機関にお知らせする歴史的責務を負っております

また全ての結果はHPにてリアルタイムで世界に発信致しております

苦節17年の歩みと、世紀の「寶」解明発掘に鑑み、拙速な行動をお許し願います

重ねてご要請がありましたら「寶」を持参の上、如何なる場所へも参上する所存です

最後に私的窮状と、「寶」の歴史的重大性に鑑み、貴学会の出来る限り、速やかなる対応を

切望するものです

会長はじめ役員各位は、関係機関の重責を兼任なさっておられる方々ばかりであります

勝手な願いと重々承知致しております

全ては漢文化の歴史“未踏の世界”を開く苦節17年の最終局面です

神噐太極「寶」の扉、“登龍の門”の、最後の扉は『東洋陶磁学会』の威信をかけて諸先生

方の御手で開錠、願いとう存じます

委員長はじめ、役員各位のご裁決とご要請を“一刻千秋”の思いでお待ち申しております

未熟者の不作法と軽挙、世界遺産、神噐・太極「寶」解明発掘に鑑みお許し願います

会長はじめ役員各位のご健勝を、遠く北陸の地よりお祈り申しております

                                                        不乙

平成20331

 

 

     写真セット

     日本中国学会・東方学会最終書状