第九章(二)   『人類の「寶」』


          
              

現代中国下おいて、20世紀最大の発見と言われる「秦」の「始皇帝」の壮大な軍団「兵

馬俑」も、素人目の壮大観や歴史的意義、その他多くの観点があったとしても、中国が世

界に誇る漢字の文明、偉大な思想家群を排出した知性その”極”、完熟した陶美と”神技”、

以下に記す神噐「寶」の総合的観点から見て比較の外であります。

 歴史の陰と陽、知性と美意識、人材の量と質その密度、そして時代の豊潤度の差は歴然

としています。

 神噐「寶」の大宇宙に匹敵する知の広大さは、「万里の長城」を凌駕する。

 この「寶」は、昆崙山脈が稜線を描き重層する峰々の如く、天才・名工がひしめく大唐

の自由闊達な芸術文化の最盛期に創造された、不滅の金字塔です。

 何千年にわたる中国の、膨大な文化遺産の数々も比較の外です。

「寶」は(1)世界に冠たるメイドイン・チャイナ・磁器の原点、(2)韻文「九文字」

は漢字と言葉の文化の太極、(3)印章と篆刻文化の極、(4)中国極小工芸美術の極、

(5)中国極大・文化の太上、(6)中国漢数術の極、(7)唐代科学技術の極(8)太古神話

伝説文化の宝庫(9)占易文化の極致(10)民衆信仰の宝庫(11)皇帝文化遺産の極

(12)道教文化の至宝(13)幻の『方円の器』(14)森羅万象を印龍する「太極」

(15)天下の覇者が手にする神器。等々。



 今日、中国・台湾・日本、また世界各地に現存する、金、銀、玉・陶磁器その他膨大な

中国美術工芸の宝の数々も、上記の幾つかの観点を有してはいても、これほど多くの分野

を完璧に内包する「寶」の”道””具”は皆無です。

それらの全ては、美術品としての範囲、考古学的遺産としての範囲など、同次元で比較対

象を持つ品々です。

 しかし神噐「寶」は、中国4000年、漢文化の真髄を、美術工芸の極に印籠した至宝・太

極です。

 「寶」は太古に遡る唐代以前の、科学・芸術・哲学その他、全ての文化の集積体、その”

”であり、以後の漢文化圏を、遍く照らす”太極”の光です。

 21世紀に向かう人類は、宇宙の果て、そして物質の極限の神秘に迫り、科学技術は果

てしない飛躍をとげました。

しかしながら、創造された「太極」「寶」は約1300年の昔、その宇宙開闢の謎とその真理

を既に「寶」で”具現”していたのです。

この漢大宇宙、異次元交合宇宙その太極、奇跡の印文「九文字」は未来の超スーパーコン

ピューターを駆使しても創造と解析は不可能の聖域です。

また第四章(七)(八)(九)「奇跡の陶磁器」で述べたように「寶」再現の試みは、奇
跡と

不可能の聖域です。

本書でお話した驚異の数々は、あくまで「寶」の神技・神知の登龍の門前であり、その印

籠する「太極」は想像を絶する漢大宇宙です。

 この漢大宇宙「太極」は古代エジプト文明やキリスト文明では「太極」することの不可

能な、神への祈りを象形し漢字を神の化身として醸成してきた漢文化の太極です。

 神噐・太極「寶」は中国4000年文化の”北極星”であると共に、人類不滅の『寶』です。

                                      平成19年3月13日