神器・太極「寶」

「はじめに」

                                             

本書は中国4000年の至宝・神器・太極「寶」解明の完全改訂版です

平成12年9月5日に第4版と仮仕上げして自費刊行した「寶」本が筆者の能力もあり、

一般の方々に余りに難解との批判の声が上がり、書き直した次第です

中国4000年、漢文化の至宝、神器「寶」と遭遇して既に16・7年の歳月が経ちまし

準備期間と執筆解明に10年、その後の闘争も勘案すると45000時間は確実に要しま

した

振り返って、本当に自分が歩んで来た「道」なのかと呆然と立ち尽くします

それはさておき「寶」本はフィクションではありません

漢文化4000年の至宝、神器・大極「寶」解明、発見の書です

写真の獅子の陶印が、約1300年前の中国皇帝の勅令で約30年の歳月を費やし焼成な

った奇跡の陶磁器です

「寶」製作を命じた皇帝は、あの世界三代美女、楊貴妃の夫、玄宗皇帝です

開元〜天寶までが30年間で、まさに天子皇帝の勅令で、延べ人員何百、何千万人を動員

して、高さ約11センチ、台座の寸法47×70×70mmの獅子印「寶」が完成なった

のです

もし古来の焼成法で再現を試みるなら、日本の国家予算をつぎ込んでも無理であろう

また奇跡的に焼成なったとしても、その燃料となる木材は日本の国土から消失する筈です

まさに想像を絶する奇跡の陶磁器なのです

また印面に篆刻された「日界・月界・太上老君勅」の九文字には漢文化の神髄、太極の神

知が天隠されてありました

詳しくこの紙面でご説明できませんが、この九文字に隠された神の知は、未来の超スーパ

ーコンピューターでも創造と解析は不可能な“神の文言”でありました

キリスト文明もイスラム文明も「太極」することの出来ない神の文言を“易した”「天書」

なのです

中国の古い伝説に天書は“光の文字”で書かれてあったといいます

また同じく“方円の器”と言う幻の器の伝説だけが、今日も伝わっております

しかし今日まで何千年間、誰一人確認した人はおりません

まさにこの獅子の印鑑こそ“天書”“方円の器”であったのです

「太極」の「太」は無限大、「極」は極限です

無限大の宇宙と極限の原子核が一体になった状態が太極です

即ちイギリスのホーキング博士が提唱するビックバン宇宙が太極なのです

韓国の国旗が太極旗である事はご承知の通りです

筆者はドイツのシュリーマンが古い民謡を手がかりにトロイアの遺跡を発見したと同様

天の導きで遭遇した獅子印の焼き物を唯一の手がかりに、準備期間も入れて約10年の歳

月を費やし、1300年間、歴史の闇にあった漢文化の至宝「寶」を発掘いたしました

未曾有の「寶」発掘により、唐代史、道教史、陶磁史、印章史、中国民俗学、皇帝文化史

漢字史、獅子文化、篆刻学、その他あらゆる漢文化の歴史を根底から覆したのです

「寶」発見は二十世紀最大の発見と言われた秦の始皇帝の兵馬俑を完全に凌駕いたします

「寶」本刊行以来、日中を代表する諸先生より、身に余るお言葉を賜っております

また「寶」本をお送りした大多数の諸先生方は驚愕の中で完全沈黙しています

中国史上、文化の黄金期、唐朝の神器・太極「寶」発見により、以後あらゆる漢文化の歴

史書は書き改める必要に迫られるであろう

日本最大の「大漢和辞典」に「寶」の語訳に神・道・宝・印章とあります

しかしそれがこの写真の獅子の印鑑であるかは勿論、どの様な紐の印鑑であったかは何一

つ記されてはいません

易・陰陽五行の研究で日本の第1人者のお一人であらせられる吉野裕子博士の著書「陰陽

五行と日本の天皇」によると「寶」の原義は祖廟の祭器とあります。

即ち「大漢和」の語訳と合わせて推考すると「寶」は天子皇帝が蔵する神の印章、宝の印

章、宗廟の祀器となります。

それは壮麗な神殿に祀る天子皇帝の神器です

「大漢和辞典」によれば「神器」は天下の覇者、象徴の宝器であると言います

当時唐朝の皇宗は道教でした

唐朝は李姓で道教の開祖、老子と同姓です

老子は仏陀・孔子と並ぶ東洋の三聖人で、その教義の真髄は無為自然の「道」です

道教の開祖は「老子」で、唐朝が献呈した尊称は印面に刻された「太上老君」です

重ねて印面に刻された文言「日界・月界・太上老君勅」こそ、漢文化の神髄、太極の神秘

です

この印面の文言こそ世界に4000万人の信者がいると言う中国道教の最高導師たちが過

去1300年間探し求めた、幻の韻文なのです

奇跡の韻文と奇跡の陶磁器、天文学的確率の中で創造されたこの獅子印が、太極「寶」な

のです

神器・太極「寶」製作を玄宗皇帝に奏上したのは中国道教、茅山派12代宗師、司馬承禎

です

道教開祖「老子」の再来と謳われた「司馬承禎」こそ、この印面に刻された九文字、太極、

奇跡の韻文を考案した天才導師なのです

約1300年の時空の彼方から放たれた、白羽の矢を筆者は受けるしか道はありませんで

した

それは運命の必然、宿命でありました

怒れ多いことですが、解明の後、筆者は承禎の名を拝命し平成承禎と号することといたし

ました

それでは、今一度、宿命の道を辿りながら、中国5000年の至宝、奇跡の、太極「寶」

へ、ご案内する事にいたします

まさに1300年間、歴史の空白であったのです

今まさに、その「登龍の門」の扉を開ける事に致します

平成19220