あとがき

 

足掛け10年本格的、執筆にとりかかって7年瞬く間の歳月でした。

本書は最初にお断りした通り、門外漢の書で純粋の学術書ではありません。

そのため、読者また、専門の諸先生から文法以前の問題など、読むに耐えない箇所が多々あったか

ったかと存じます。

結局、己の未熟を歴史に印す結果となりました。また生涯一冊と決め、不遜にも本書全体を太極「寶」と

見立てた為、読者に多大な混乱をかけることとなりました。

しかしながら、本書に願いを込めた、私心無き思いをお汲み取り戴き、各位のお許しを願うものです。

巻末の主要文献に戴く諸先生方の順位は『大漢和事典』と混沌の中でさ迷っていた私に、決定的、

かつ最初に光明を差し込み「寶」の扉を開いて戴いた吉野博士の著書以外は私が順次読み進んだ通り

無作為
に掲載させて戴きました。

そして主要文献を「寶」に縁深き159冊の数に止めたため、他の掲載出来なかった数多くの著書も、

本書「寶」に多大なお力になった事
を、この場にてご報告させて戴きます。

昨今、多くの諸先生方のご努力により、道教の研究が深められたことも、私にとって幸運でありました。

先学の諸先生に深い敬意を表するものです。

おわりに本書の最終仮本の仕上げ予定日を平成11年5月9日におき完成を急いだ。そして7年間ご迷惑を

おかけした北陸電算株式会社の
お仕事上の都合もあり最終仮本の完成は平成11年9月5日となった。

その間の4ケ月、そして9月以後の今日までの計8ケ月、各界の方々に差し出す手紙の準備に入り、

戦いの第2幕が切って落とされた。

「訴状」の作成、そして各界の方々に仮本を送る準備と行動計画の策定、これまでお世話になった

方々への礼状などに一日として体を休
める日は無かった。

それまでの諸先生方に加え各界の方々へは130名余となった。

8年間の手紙の総数は300通を超える。

そして平成12年3月15日より75日間を費やし、5月19日予告、6月3日インターネットにより「寶」

は世界に発信された。

・・・・。

九十九里をもって半ばとす、天山の頂き観えたりと言えど、いまだ道半ばである。

いずれ21世紀に目は昇り、太極「貿」は、その偉大な全貌を現すであろう。

おわりにあたり師・能田辰也様・吉野裕子博士・黒川総三先生・京都有郷館藤井善三郎館長、王敏博

士そして希望の玉書を賜った全国放送番組向上委員会委員長・草柳大蔵先生、各位に深甚の意を表し、

書「寶」の航海誌を、ここに閉じるものです。

                                         平成111231日 平成承禎